3月末にニューヨークがロックダウンして、満ち溢れているエネルギーが一気に消滅。私もさすがに神経質になってしまいました。
コロナ生活にも慣れていきましたが、なぜか自分の心が閉ざされていく感覚が出てきて、これはまずい・・・と思った時に思い出したのは、「ヨガ」
お気に入りのヨガインストラクターのバーチャルヨガレッスンを始めました。いつも重視するのはポーズなのに、その日は自然と呼吸法に意識が向きました。
45分のクラスが終わった後、驚くことに、脳も心もすっきり。それ以来、もっと呼吸法とメンタルヘルスの関係に興味が沸き、毎日呼吸法を行っています。
ヨガ、呼吸法、メンタルヘルスに関する研究はたくさん行われていて、特に興味を持った「スダルシャンクリヤ呼吸法によってうつ病が緩和した」というアメリカの研究をご紹介します。
その前に、スダルシャンクリヤ呼吸法とは?以下の4つのステップを順番に行います。
ステップ① ウジャイ (Ujjayi):1分間で2〜4回、ゆっくり深呼吸。5分間行う。
ステップ② バストリカ (Bhastrika):1分間で30回の早い呼吸。5分間行う。
ステップ③ オム (Om Chant):ゆっくり3回深呼吸。息を吐く際に「オム〜」と唱える。
ステップ④ クリヤ (Kriya):ゆっくり、少し早い呼吸、早い呼吸のサイクルをリズムにのって呼吸を5回繰り返す。吸う速さは、吐く速さの2倍のスピードで行うことが肝心。
<研究>
重度のうつ病を持つ25人を2つのグループに分けて、グループ1はスダルシャンクリヤ呼吸法を8週間行ってもらい、グループ2は呼吸法なしで比較。
8週間後の結果:呼吸法を行ったグループのうつ病レベルが、開始前は22.0 (重度のうつ病レベルを示す数値)だったのが8週間後に10.27まで下がり、それに比べ、呼吸法をしないグループには改善が見られなかった。
また、スダルシャンクリヤ呼吸法で幸福度が上がるという研究もあります。
運動着、運動用具もいらないどこでもできる呼吸法はオススメです!
注意:心疾患や肺疾患、喘息、ストレスで過呼吸になりやすい方の場合は相談が必要です。
<参考文献>Anup Sharma, Marna S. Barrett, Andrew J. Cucchiara, Nalaka S. Gooneratne, Michael E. Thase. A Breathing-Based Meditation Intervention for Patients With Major Depressive Disorder Following Inadequate Response to Antidepressants. The Journal of Clinical Psychiatry, 2016; DOI: 10.4088/JCP.16m10819